Brian'z Imagination

ブライアンねこの、頭の中。

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いくつになっても一生学び続けたい、あなたの人生の質を決定する「5科目」

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本当に役に立つ知識とは、内容が何らかの形で自分の血肉となり、引き出しをいくつも増やしてくれるような知識だ。

そうした知識は、得てして学校では学べないことのほうが多い。実社会の中で、ある種のサバイバルの中で醸成されていく。一方、そのような知識を一度手に入れてしまえば、何もかも失ったときでも、自分自身で未来を切り開いていくことができる。

これから列挙していくあなたの人生の質を決定する「5科目」は、住んでいる場所や時代、職業や性別に依らず、本来は誰にでも必要な「必須科目」だ。しかしソクラテスが実践していったように、まず自分自身が無知であることを自覚して自ら求めるようにならなければ、今と変わらない人生を送り続けることになる。

これは能力の差とは無関係に、求めれば誰でも手に入れることができる。しかし、大抵の場合は必要性を感じないか、自分はもう知っているといって学ぼうとしないか、あるいは本当は必要なのに見て見ないふりをしてしまう。これでは今の自分を騙すことはできても、将来において大きな損失を被ることになる。

勇気を持って学ぼう。この「5科目」は、現実というサバイバルの中で勝ち抜くための大きな指針を与えてくれるのだ。

MITメディアラボの所長である伊藤穰一氏は、BI(Before Internet)時代からAI(After Internet)時代になって変貌した世界を、9つのプリンシプルで説明している。そのなかのひとつである「Compass over Maps」(地図よりもコンパスを)という言葉は、これからの時代を生きる上での重要なキーワードだ。変化の激しい世界において、地図はどんどん古びていってしまう。しかし、自分の軸となるコンパスを見つければ、世界がどんなに変わっていっても、生きていくことができる。

勇気を持って学ぼう。この「5科目」は、地図よりもコンパスに近い。コンパスを持てば、最初からやり直すことができる。たとえ地図がなくなっても。

1. テクノロジー (Technology)

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「文系だから、ITに疎い」という言葉はこれからの社会ではご法度になる。すでにどんな産業でもコンピュータは必須だし、AI(人工知能)の技術が発達したことで、確実にAIを使いこなす側の人間とAIに酷使される人間、またはAIに仕事を奪われる人間が出てくる。このことはオックスフォード大学の教授であるマイケル・オズボーン教授が『雇用の未来』という論文の中で言及している。

すでにあるテクノロジーをキャッチアップしていくことは、どちらかといえば地図を集めていくのに近いように思える。しかし、本当に大切なことは、そのテクノロジーをどう役立たせるかを自ら主体的に考えることだ。知識を行動値に落としてこそ、血肉になる。テクノロジーを単に「知っている」ひとはあっという間に置いていかれて、テクノロジーを「活用する」ひとが残っていく。これはプログラミングが出来るとか、アルゴリズムが書けるとか、そういう技術的な話ではない。むしろ、そうした技術者を積極的に活用することが、これからは重要になってくる。

気象学(Meteorology)は、この意味で非常に興味深い学問だといえる。気象学者(Meteolorogist)は温度だとか雲だとかのデータを集めているのだけれど、「気象は予測できない」という前提でやっている。予測をしないでどうするのかというと、竜巻や台風が起きた時に、それを俊敏に報告して、わかる限りのデータを伝えて、レスポンス(反応)をするというアプローチをとる。すべての知識を公式に当てはめるのは無理だが、活用を前提とすることで、現実へのフィードバックができるようになる。

21世紀に生きていく以上、テクノロジーに関する知識は多ければ多いほどよい。知識を獲得するだけでなく、その知識の隙間から見える未来を見据えていると、想像力が膨らんでいく。これからは、想定以上のことばかりが起きる。そうしたときに、機敏に反応して自分の持っていきたい世界観に惹きつけることができるひとに、富が集まっていく。

鮮明なビジョンほど強力で、人を惹きつけるものはないからだ。

2. 語学 (Linguistics)

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テクノロジーが発達してくれば翻訳技術が進み、ぼくたちが手に入れることができる情報はますます増えていくだろう。最近ではスマートフォンに向かって音声を発すれば、自動で翻訳するアプリまで出てきた。こうしたアプリを入れたスマートフォンを持ち歩けば、地球上のどんな場所でも生活することができそうだ。

しかし、そこにあぐらをかいてはいけない。世界では英語が必須科目であることは言うまでもないが、とくに日本においてはこの4年の間に英語がある程度話せるようにならないと、とんでもない機会損失になる

2008年に文部科学省によって策定された「留学生30万人計画」に基づいて、政府主導で2020年を目処に留学生を30万人にまで増やそうとしている。これは、日本の学生を30万人送り出しましょう、という計画ではなく、海外の留学生を30万人日本に招き入れようというものだ。

そうなると日本の大学で授業を受けている学生の半分以上が外国人、というシチュエーションもありうる。例えば立教大学は2014年時点で、留学生の数が500人程度いるが、2019年までに2倍の1000人に増やすことを目標として掲げている。早稲田大学も2017年には学生数を40000人に減らし、留学生を2015年の3600人から7000人に増やす。外国人教員も400人(20%)を占めるようになる。

それだけでなく、日本から海外に発つ留学生数も増える。先に紹介した立教大学では、2019年までに学生の50%、2024年までに100%留学させることを目標に設定している。

すると当然、留学の切符をいち早く手にするのは、大学生の時点で英語がある程度できる層だろう。就職活動でも、2020年のオリンピックに向けて、英語力があるかどうかがプライオリティになる時期がやってくる。そして、すでに働いている世代こそ、英語ができないと、すでに留学を標準装備で経験した新入社員に、どんどん置いていかれることになる。英語ができるかどうかは、世代とは全く関係なく求められてくるのだ。

さて、ここまで語学の代表として、いまや世界の共通語となった英語を切り口に取り上げた。しかしながら、もはや英語を話せる人のほうが多くなってくるだろうから、次のフェーズも見据えて動き出すのであれば、第三外国語を学ぶことが大切だ。ぼくはアラビア語を学んでいるけれど、アラビア語を学んでいるという人にはなかなかお目にかかることはない(英語に取り組んでいる人はゴマンといるが)。語学はテクノロジーほど変化のスピードが速いわけではないので、差をつけるなら早く取りかかりたい

3. お金の教養 (Financial Intelligence)

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お金のことは、高等学校の政治経済では少し学ぶかもしれないが、それでも役に立つことはほとんどない。

年金の受給額は、平成25年度で、国民年金で月額約5万5千円、厚生年金でも約14万5千円だと言われている。もちろん年収によっても多少上下するところはあるが、微々たる差である。これでは生活をするにも余りにも質素な暮らししか送ることができない。そしてこのことに早く気づいたものから、貯蓄をしたり、投資をしたりして、手持ちの金をどんどんと増やしていく。

景気が良くなると格差もますます増えていくと言われるが、金の増やし方を知っているものがますます豊かになっていくだけだ。そして、お金の教養を持つ者たちは、たとえ無一文になったとしても、またゼロから金を増やし始める。

学問としての経済学や経営学は、役に立たないわけではない。しかし、金を増やすということは、座学というよりは泥臭く実践的な行為だ。お金の性質や素養を身につければ、これからどんな困難が待ち受けていようとも、なんとか生きていける。そしてお金に対する嗅覚というものは、時代が変わっても基本的に衰えることはない。

時間単位で労働して金銭に替えていくという行為は、上限が限られている。なぜなら、人の一生における時間には限りがあるからだ。貴重な時間、すなわち命を削っての労働に限界があることを、彼らは知っている。もしあなたが何らかの方法で金の増やし方を学ぶのであれば、投資、ビジネスの所有、インターネットビジネスから学ぶのがいいだろう。

4. デザイン (Design)

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デザインは、21世紀を生きる上での必須科目に変わりつつある。デザインは、あなたがプロダクト制作に関わるか否かに関係なく、ぜひ学ぶべきだ。その理由は大きく二つある。

デザインとは理念そのものだ。一般的にデザインは、用途の産物として考えられがちである。しかし、Appleの製品がここまで多く使われるようになったのは、使いやすいデバイスを創る努力をしてきたからではない。現状に挑戦し、他者とは違う考え方をする。それがデザインになったにすぎない。優れた理念ほど人を惹きつけるものはない。

また、デザインは思考そのものでもある。シンプルなデザインは余分なものが削ぎ落とされているが、それはデザイナーの思考に余分なものがないからだ。

優れたデザインは人の心を動かす。目に見えるデザインだけではない。ストーリーを語る上での構成や、話し方の段取りなども一種のデザインだろう。デザインはたいていの場合意図して作られる。意図なきデザインはデザインとは呼べない。優れたデザインの手法を学ぶことは、自分の信念を無駄なく伝えることとイコールである。

神戸大学の経済学者に、経営はむしろアートに近い、と言ったひとがいる。アーティスティックな感性は、どんなフィールドでも、役に立つに違いない。

本質を見ぬいて表現するのが、優れたアーティストなのだ。

5. コーチング (Coaching)

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変化が激しく複雑さが増す中で、人や組織が成長に向けて変革していくには、人や組織を単なるリソースとして捉える従来のアプローチ方法では対応が難しくなってきた。その中で、環境の変化に合わせて自律的に問題解決を図り、自らの方向性を生み出す力を引き出すコーチングの手法が注目を集めている。

人工知能の時代に入ると、ワークライフバランスや職場環境なども考慮した上で、個人がどのように働きながらキャリアを積んでいくかがますます重要になってくる。いわゆる「労働力」を企業に提供すればいい時代は終焉を迎えた。ここからは、自分にしか発揮できない価値、存在価値を最大化する働き方を人々が模索する時代に突入する。

しかし、人生において何を達成したいのか、という問いに対する答えを、誰もが持っているわけではない。むしろ明確なビジョンを持って働いているという人のほうが少ないだろう。理想を探し、現実とのギャップを埋めていくのがコーチングだ。だがコーチングそれ自体は、本場アメリカでもまだ発達しきっておらず、参入障壁も低い。コーチングスキルを学べば、クライアントだけでなく、自分自身のキャリアパスを描くこともできる。また、コーチングをするのに道具は必要ないので、何もないところから富を生み出すことも可能だ。

あとがき

ここまで書いてきた「5科目」を全て同時にやらなくとも、どれか1つを究めるだけでも、あなたの人生は豊かなものになっていくだろう。人生は、思った以上に短い。これからあなたは、様々な挫折を経験することだろう。しかし、決して諦めてはいけない。人生は、いつだってやり直せる。そのときに武器になるのが、ここまで述べてきた5つの科目だ。どこから強化するかは、あなたが決めればいい。

Art is long, Life is short. 芸術は長く、人生は短い。